山下 宗利 教授

   

専門分野:
 専門は人文地理学(都市地理学)。トロント大学に在外研究で留学した経験から、現在でもトロントの研究を継続しています。 カナダのオンタリオ湖北岸に位置するトロントでは、スマートグロース(Smart Growth)政策がトロント大都市圏を大きく変容させようとしています。 これは一つの成長管理政策で、選択と集中により、トロント大都市圏を持続可能な強固なものへと変革しようとしています。

 

トロント都心部では高次な都市機能のさらなる向上を図り、一方の郊外地域では無秩序な開発を抑制し、 広大なグリーンベルトを設けることによって持続可能な開発を目指しています。 また、疲弊しつつあった都心周辺部の工場群は再開発され、オフィスと商業施設、 住宅等を併せ持った高層コンプレックスが出現しています。 またコンドミニアムの建設により、 トロント都心部とその周辺地域は急速にその姿を変えつつあります。

現在の研究テーマ:
 地理学は地域そのものを対象とした学問分野です。 自分の眼で事象を観察することが基本にあり、ここから研究がスタートします。 この研究姿勢は実験室における科学実験と同じ働きをなしています。 現在の研究対象は、ローカルでは佐賀市中心市街地の活性化問題であり、 いかなる方策が可能かを探っています。 グローバルではトロントやシカゴ、NY、サンフランシスコなどの北米の都市に関心があり、 アジアにも眼を向けつつあります。まさに世界がフィールドです。 2008年度は、春にボストン、夏にチュニス(北アフリカのチュニジア)を訪れ、 各地の都市の実情を実体験で接しようと考えています。

受験生へ:
 高校までの勉強とは異なり、大学で学ぶことは、 努力次第であなた方の世界が大きく広がる可能性を秘めています。 自ら進んで実行に移す、これが重要だと考えています。 地域研究の一つである地理学は未知の領域にあなた方を誘う分野だと思います。 地域の疲弊と活性化への取り組み、持続可能な発展に向けた提言、生活風土の保存…、 その他わたしたちの身の回りのあらゆる事象が地理学の対象となります。 一緒にフィールド調査に出て探求してみませんか。